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Samodia

 

Samodia サモディア

Emilia=Romagna-Bologna-Valsamoggia

 

ボローニャの失われゆくワイン造りを存続させるため、2人の若き造り手が立ち上がる。

 

ボローニャ県ヴァルサモッジャ、南側の丘陵地帯に残る樹齢60年を越える古いブドウ畑。近郊でワイン造りを始めたJacopo Stiglianoヤコボ スティリアーノと、KOIコイのフラヴィオ レスターニ。この地域の次世代を担う若手2人が協力し、ボローニャ丘陵地のワイン文化を守るために立ち上げたワイナリー。

 

 DOC Colli Bolognesiを見ても分かる通り、国際品種が台頭しているだけでなく、大量生産が主流となって長いヴァルサモッジャ。本来この地域は、南側の丘陵地がブドウ栽培の中心。小規模で家族経営の栽培農家、そして地域特有のブドウ品種、伝統的なワイン造りが主流だったのは1970年代まで。1980年代より、農業の近代化が進み、作業効率や生産量を重視したブドウ栽培に切り替わった結果、ブドウ栽培の中心は南の丘陵地から、北の平地へと移り変わっていきました。それでも丘陵地にとどまり伝統的なブドウ栽培、固有のブドウ品種が残る畑は僅かですが存在していました。ただ、大量生産によってブドウの価格が値崩れし、ブドウの販売価格よりも、1年間ブドウ畑を維持する費用の方が高くなっていたのが現実です。そして決定的な出来事が起きたのは2023年、丘陵地にあった協同組合が運営するワイナリーが倒産。売り先を失う事となった栽培農家は、これまで守ってきたブドウ畑を、手放す以外の選択肢は残っていませんでした。

 

 この出来事を機に、共に協力し存続させるための行動を起こしたヤコボ スティリアーノ。ボローニャに残るレジェンド的造り手、ErioliエリオーリとGradizzoloグラディッツォーロ、彼らの元で学び、地域に残る高樹齢のブドウ畑を愛し、ワイン造りを開始。そのヤコボを支えるように、ヴァルサモッジャを拠点に、ブドウのみで表現するワイン造りを続けてきたKOIコイのフラヴィオ。標高400m、北向きに位置する樹齢60年を越えるブドウ畑。ヴァルサモッジャの古い呼び名である「Samodiaサモディア」、この地域に元来あったワイン造りを存続させるため、ボローニャでいままで愛されてきた日常のテーブルワインを復活させようと、2023年の収穫よりワイン醸造を開始しました。

 

ボローニャ周辺で最も標高が高く、北向きの斜面では1年を通して冷涼さを感じられる環境。樹齢は60年を軽く越える樹ばかりで、20種類近いブドウ品種が混植された2haのブドウ畑。土壌は粘土質が豊かで、砂質、石灰質とバランスよく、単に貧しいだけの土壌ではありません。非常に間隔の広いスパリエッラ式で仕立てられており、元来はある程度の収穫量を見込んでいた畑。フラヴィオ曰く「ボローニャの丘陵地帯ではこの方法が最もポピュラーだった。高品質なブドウを栽培する、、というよりは、《生活のために必要な量を効率よく栽培する》ための畑。樹齢60年を越えた現在、当時のような収穫量はない代わりに、十分高品質なブドウが収穫できる」、といいます。

 

 畑にはピニョレットやアルバーナをはじめとした地域のブドウ品種が残っている。白ブドウで10種、黒ブドウで6種、他にも名前がわからないブドウも数種類あるといいます。さらに言うならば、クローン選抜により改良される前のブドウが残っている。「ピニョレット一つとっても、苗木屋で手に入るモノとは、ブドウの特徴が全く違う。果粒が大きく果皮も厚い、もちろん味わいや特徴も異なる。50年前はこうしたブドウを混醸して造られていた。毎年変わる気候に左右されず、より良いワインを造り続けられるように、、」、そう語るヤコボ。

 

 標高が高く北向きの斜面、高樹齢のブドウ畑では、ブドウの成熟が非常に緩やか。それぞれのブドウが十分に完熟するタイミングを見極めてから収穫。まだ2度の経験しかないものの、収穫は10月に入ってから行うほど収穫のタイミングにこだわる2人。収穫したブドウも、近年の温暖化の影響などみじんも感じない糖度が上がり過ぎず、繊細でバランスの取れたブドウ。

 

 ワイン造りにおいてはサモディアのコンセプト通り、混植されたそれぞれのブドウを合わせて収穫&醸造。白はピニョレットやアルバーナ、計10種ほどのブドウを収穫後、除梗せずに直接プレス。果汁のみの状態でアルコール醗酵を行います。赤はバルベーラ、サンジョヴェーゼ、アンチェッロッタなど6種ほど、果粒を潰さずに丁寧に除梗し、そのまま約1週間のマセレーション(果皮浸漬)を行ってから圧搾。セメントタンクによって温度コントロールを行わずに醗酵。酵母やSO2など一切添加を行わないブドウだけで表現するワイン造り。それでいて、オフフレーバーや揮発酸といった不安定要素をみじんも感じない部分は、彼らの仕事量の多さを感じます。

 ワインは非常に柔らかく、冷涼でフレッシュな果実と複雑さ、そして何よりその飲み心地に驚かされます。何か特定のブドウ品種を感じるというより、複雑で一体感を持ったうまみと、飽きの来ない味わい、単なるテーブルワインというにはもったいないほどのクオリティとブドウのポテンシャル。それでいながら、決して強すぎない果実とヴォリューム。毎日飲むことを想定しているかのような清涼感と心地よさ、まさにヴァルサモッジャの土地と食事とともにあるワインとしての味わいなのではないでしょうか。

 

エチケットは、人々に愛されるテーブルワインであり、その人たちの中で共に喜ぶヤコボとフラヴィオ、そして敬愛する2人の偉大なる造り手が描かれています。若くも、地域の伝統を愛し、先人たちを敬愛し、さらにそのすべてを守ろうと活動を始めた2人。今後が本当に楽しみなワイナリーが誕生しました!