Piemonte
Cascina Fornace
カッシーナ フォルナーチェ

カナーレの町の西、モンテ ステーファノ ロエロ。初リリースが2011というまだ若いワイナリー。当主のエンリコとは、自然環境が残るこの町を愛し、ほぼ独学で自然農法を学ぶ。父の持つ1haと、周囲に点在する区画の狭い畑。近代の農業では非効率なこうした畑は、恵まれた地質、高樹齢であるにもかかわらず、放棄される現実。エンリコはこの放棄畑を借り、弟のエマヌエーレと共に無農薬・不耕起・無肥料栽培を行う。「自然環境が残り、樹齢も古く樹のバランスも取れてた畑では、必要最低限の手入れしか必要ないんだ。しかしその少しがすべて手作業なんだけどね。」と苦笑いするエンリコ。醸造については酵母の添加、温度管理を行わず野生酵母による醗酵。果実の純粋な香りや雰囲気そのままに、圧倒的な果皮の厚みと個性を持つアルネイス。
これまで飲んできたロエロ アルネイスはなんだったのだろう?と驚きを隠せない。
ロエロにも感じる酒質の柔らかさと味わいの複雑さ。若くも十分すぎる可能性を持った造り手の一人。

堅牢ともいえるロエーロの固定観念に逆らいつつも、土地への敬意を忘れない 栽培と 、 純粋さ を 忘れない ワイン造り。 2008年 、電気技師としての仕事に見切りをつけ、曾祖父の頃より続いてきたブドウ栽培 を引き継いだエンリ ー コ カウダ。彼のちょっとした好奇心・興味よりスタートすることになったワイナリー「 Cascina Fornace カッシーナ フォルナーチェ」は カナーレの西、サントステーファノ ロエーロの南 に位置する。父の代まではブドウ・果実の栽培農家として営んできた。比較的山間部に位置していることも あり 、 銘醸地としては珍しく 波多江の周囲は 手つかずの森林に囲まれている。理由は 採算性が悪い(細かく区切られているため、作業効率が悪い。 そして急斜面のため大型の耕作機械も使えない。)という現実的な理由。 ロエーロと呼ばれる地域の特徴ともいえる強い砂質は非常に崩れやすい、そして Terre Bianche とも呼ばれる強い石灰質。樹齢60年という高樹齢(第2次大戦後に植えられた畑)のアルネイ ズ 、ネッビオーロが植わっていながら、後継者問題や作業効率、そして一番の問題である過疎によって、放棄されてしまった畑が点在している。

収量制限がほとんど必要ないくらいの結実量(1ha/4t )、さらに樹のクローンも近代化さ れていない(果実の熟成に時間がかかる)。 そして畑のいたる所で見られるピエディ フランコ(自根)、そして古典的なプロヴィナー ジュ。ロエーロ 周辺の強い砂質は、フィロキセラの繁殖を防ぐ役割も果たす。現在、新しく植樹している畑については、接ぎ木を行っていない。 アルネイズ、フレッシュかつフルーティ、そんなイメージが定着しているブドウであるものの、それは本来の姿ではないと話すエンリーコ。「古い呼び名はネッビオーロビアンコ、古いクローンのアルネイズは、果皮が厚くタンニンを持っていて、長い期間樹上で熟成することができるブドウ。」、決して早飲みとして適しておらず、むしろ果皮の存在を表現することもできるだけの可能性を持っている。2008 年より、ごく僅かな収穫ながら実験的に醸造を開始、ボトル詰めをスタートしたのは2011ヴィンテージより。生産量は合計4000本という少なさに驚愕する。

醸造は、ブドウのもつ特徴を純粋に表現することを基本に、段階的に醸造的介入を減ら していこうと考えている。アルネイズは9 月末~10 月上旬にかけて収穫。一部分におい てマセレーション(果皮浸漬)を行い、酵母添加・温度管理を行わずに醗酵を促す。圧 搾後、ステンレスタンクに移しアルコール醗酵、途中温度管理等行わずにそのままステ ンレスタンクにて熟成を行う。アルネイという果実の持つ繊細な香りと骨格ある酒質。十 分な厚みとオイリーな質感、これまで味わったことがないかのような純粋なアルネイズを 感じることができる。ネッビオーロは10 月中旬~下旬にかけて、収穫後セメントタンク内 にて20 日間のマセレーションを行う。熟成は500Lの木樽にて24 か月の熟成。ネッビ オーロの持つ奥行き、複雑さはそのままに、アルバでは決して見られない柔らかみと繊 細さ、ロエーロという土地の持つ軽やかさ、女性的な印象を表現。土地の持つ可能性、 古樹の可能性、ブドウの純粋さを直球的に表現するエンリーコ。まだファーストリリースでありながらも、それ以上の存在感と未来を感じさせてくれる造り手。
Lineup
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商品コード | イメージ | ワイン | 認証 | 年 | 種類 | 品質・メモ |
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Arneis Desaia アルネイズ デザヤ 750ml |
2018 | 白 | アルネイズ、樹齢45~55年。 果皮とともに2日、果房が浮き上がらないように モストに沈めた状態を保つ。 野生酵母による醗酵を促す。 圧搾後セメントタンクにて醗酵が継続。 木樽にて10カ月、ボトル詰め後12か月熟成。 果実や果皮の完熟よりも、 バランスを意識して収穫したアルネイズ。 トップのペダフォルノとは 全く異なる繊細さと軽やかさ。 アルネイズのもう一つの表情を見せる白。 |
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Roero Arneis Desaia アルネイズ デザヤ 750ml |
2019 | 白 | アルネイズ、樹齢45~55年。 果皮とともに3日、 果房が浮き上がらないように モストに沈めた状態を保ち、 野生酵母による醗酵を促す。 圧搾後セメントタンクにて醗酵が継続。 木樽にて10カ月、ボトル詰め後12か月熟成。 果実や果皮の完熟よりも、 バランスを意識して収穫したアルネイズ。 より繊細な抽出を行う事で、 ワイン全体のエレガントさを表現。 |
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Arneis Pedaforno アルネイズ "ペダフォルノ” 750ml |
- | 2019 | 白 | アルネイズ、樹齢60年~。 果皮とともに10日間、野生酵母による醗酵を促す。 圧搾後木樽にて醗酵。10カ月の熟成、ボトル詰め後12か月熟成。 最も樹齢の古い区画のみ、収穫を最大まで遅らせ、 粒単位の選果を行い収穫、醸造したアルネイズ。 気候のバランスの取れた2019、 完熟したアルネイズから生まれるアロマティックさと 奥行きのバランスを感じる、複雑さ、奥行きのある白。 |
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Nebbiolo Visca ネッビオーロ"ヴィスカ" 1000ml |
- | 2021 | 赤 | ネッビオーロ、樹齢25年~。 果皮と共に約4日、野生酵母による醗酵を促す。 そこにヴァルドバートのモストを一部加え、 500Lの木樽にて12か月の熟成。 ネッビオーロの果実感を尊重した、 飲み心地重視の赤。 素晴らしく軽い飲み口はいつも通りですが、 そこに絶妙なバランスで感じる ネッビオーロの味わい深さ、 これまでのヴィスカのイメージを変える 魅力をもったヴィンテージ。 |
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Roero Valdovato ロエーロ"ヴァルドヴァート" 750ml |
DOCG | 2015 | 赤 | ネッビオーロ、樹齢55~60年、 一部ピエ ディ フランコ(自根)の畑果皮と共に 2週間程度セメントタンクにて醗酵。 圧搾後、500L及び1000Lの木樽にて36カ月の熟成。 2015年は猛暑で果実が完熟した パワフルなヴィンテージ。 力強さや重厚さを感じるものの、 熟成期間を長く取ったことが功を奏し、 溢れる熟成香と柔らかさを持ったタンニン。 砂質特有の香り高いネッビオーロを はっきりと感じさせる素晴らしい状態。 タンニンがありながらも非常に果実的で 飲み心地の良い、 ヴィンテージの個性が美しく反映されたロエーロ。 |
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Roero Riserva”SREJA” ロエーロ リゼルヴァ"スレイヤ” 750ml |
DOCG | 2017 | 赤 | ネッビオーロ、樹齢65~70年、 第二次大戦後に植えられた、 ロエーロ地域で最も古いネッビオーロの畑。 一部ピエ ディ フランコ(自根)の畑果皮と共に20日間、 セメントタンクにて醗酵。 古バリックにて3年間、ボトル詰め後2年間の熟成。 強烈な砂質、石灰質を持つスレイヤの畑。 ロエーロの特徴ともいえる砂質の ネッビオーロから感じる繊細さ、薫り高さ。 柔らかくも個気味良いタンニンを持ち合わせた、 魅力的なロエーロ。 |
FOR0503 | ![]() |
Roero Riserva”MEDIC” ロエーロ リゼルヴァ“メディク” 750ml |
DOCG | 2016 | 赤 | ネッビオーロ、樹齢35~45年、 スレイヤとは別の区画であり、 砂質よりも粘土質を豊か、ランゲを彷彿とさせる 土壌を持つブリック デル メディクの畑。 収穫後、果皮と共に20日間、セメントタンクにて醗酵。 古バリックにて3年間、ボトル詰め後2年間の熟成。 ロエーロというよりもランゲに感じるような芯の強さ、 骨格と奥行き、存在感を感じるネッビオーロ。 同じ地域でも土壌の違いで、 これほどの違いが生まれる事に驚かされます。 |