Winery

ワイナリー

Abruzzo

Colle San Massimo

コッレ サン マッシモ

生まれ育ったジュリアノーヴァの町を離れて20年。アメリカで教職についてきたエンリーコ ガッリナーロ。生まれ育った土地の野菜やオイル、そしてワインの美味しさを、離れることで身に染みて感じたというエンリーコ。祖母より引き継いだ土地で、肥料や農薬に頼らない農業、ブドウ栽培を開始する。「ワイン造りはあくまでも自分の趣味として!」そう言い切るエンリーコ。生活を意識してしまうと、どうしても利益や販売を考えてしまう。そうしたら、自分が本当に造りたいものができなくなってしまう、、。小さすぎる畑は、樹一本一本すべて一人で作業できるだけの面積。極わずかでも「自分の好きな物を造る」という純粋な意志と、飾りっ気のない直球的な味わいを持ったワイン。あまりの規模の小ささに驚きつつも、素晴らしい考え、そしてクオリティを持った造り手。

アブルッツォ北部、モンテプルチァ ーノの偉大なる産地テラーモ 近郊 、アドリア海沿岸の町ジュリアノーヴァ。この土地に生まれたエンリーコ ガッリナーロ 。 大学卒業後、アメリカで 20 年近く教師として勤めてきたエンリーコ。 アメリカでの生活は、故郷で当然のように 食べて いた 野菜にオリーブオイル、そしてワイン。それがどれほど恵まれていたのかを、身を持って体験したと話す彼。 2003 年に故郷に戻り、祖父の農園を引き継ぎ、 オリーブの栽培と 自家消費用のワインを造り始める 。農園といっても非常に小規模で、1.5ha のオリーブの畑と、ブドウ畑はわずかに0.7ha しかない、、。現在は家業を手伝う傍らで、自家消費用の野菜やオリーブオイル 、ワインを 醸造し ている。

畑はグランサッソの麓に広がる土地、粘土質が非常に強く、標高は 100 m程度。海まで わずか 4km 。強い潮風によって冷涼さを保っている。ブドウは 祖父の時代に植えたものばかりで樹齢は 40 50 年。 モンテプルチ ァ ーノ ダブルッツォを中心に、トレッビアーノ、パッセリーナ、マルヴァージアを栽培。肥料を与えず、不必要な剪定や除葉、グリーンハーヴェストを行わない。ほとんどが手作業中心、効率を考えず時間を費やす、単純な理屈ではあるが、それこそが最も大切だと話す エンリーコ 。化学的な肥料や農薬は一切使わず、銅と硫黄についてもほとんど使用していない。彼 の フィロソフィの根幹にある、「自分たち家族が食べる、飲むものを造る」という考え。 栽培が安定し収穫が見込めるようになった 2008 年より、自家ボトリングを開始、といっても 07ha の畑からたった 2000 本という少なさ、そのほとんどはカンティーナでエンリーコ自ら販売している。醸造はほぼ独学というエンリーコ、したブドウは小型のセメントタンクにて醗酵を促す。途中、酵母添加や温度管理は行わないのは当然、フィルターや清澄も行わない。 SO2 はボトル詰めに僅かに使用する程度。 「 醸造をゼロから勉強してみて感じたことは、どれもこ れも不必要な工程が多すぎる。

酵母は本来ブドウ自身が持っているし、醗酵中もコントロールしなくても時間をかけて終えるのを待てばいい。
オリや濁りは時間をかけてオリ引きすれば問題ない。あとは一つ一つの工程のクオリティを上げるだけ。」なんとも合理的でいて シンプルな エンリーコの醸造哲学。ビアンコはトレッビアーノが主体で、パッセリーナ、マルヴァージア。醗酵が始まった段階で圧搾、野生酵母による醗酵。途中温度管理など一切行わず、セメントタンクにて 6 か月の熟成。白ブドウの樹が少なく、例年 200L 程度しか造られないことが、とても残念なほど、素晴らしい果実感と柔らかさを持 つ 。メーノロッソは、いわばチェラスオーロ (ロゼ)として造られたもの、 モンテプルチァーノを収穫後、約 12 時間のマセレーション(果皮浸漬)を行います。圧搾後、小型のセメントタンクにて醗酵を終える。ロゼと言うには十分な色合い、そして重厚な味わい。 土地で愛されてきた、食事と共にあるワイン。

ピウロッソは、モンテプルチァーノ ダブルッツォそのままと言ってもいい。収穫後、セメントタンクにて約1 週間のマセレーションを行い、野生酵母による醗酵を促します。圧搾後、そのままタンクにて12 か月、ボトル詰め後さらに12 カ月の熟成。時間を費やすことで見える、モンテプルチァーノの個性をはっきりと感じる味わいです。そしてロッソは、チェラスオーロとモンテプルチアーノ ダブルッツォの中間的存在。醸造、というよりチェラスオーロとモンテプルチァーノを混ぜるというもの、、、。驚きの手法ではありますが、元来地元で親しまれてきた飲み方でもあります。濃厚なモンテプルチアーノをロゼ(チェラスオーロ)と割ることで、飲み心地の良さと適度な濃度、旨みのバランス感。ワインだけでは完結しない、食事と共にあるというテーブルワインとしての存在です。元来の生産規模ゆえに、利益の追求を無視したエンリーコのワイン観。滋味深く、飲み飽きることのない優しさを持ったワインです。

Lineup

COL0009 Bianco ビアンコ 2022年 750ml
トレッビアーノ70%パッセリーナ25%、マルヴァジーア5%。
収穫後、除梗し約1週間、果皮とともに醗酵を促す。圧搾後セメントタンクにて醗酵を終え、そのまま6か月熟成。十分な色素とほのかなタンニンが新鮮に感じます。凝縮や力強さを感じながらも、果実的な丸みと柔らかさ、抵抗なく染み込むかのような優しい味わい。
COL0111 Meno Rosso メーノ ロッソ 2022年 ロゼ 750ml
モンテプルチアーノ100%、樹齢40~50年。
粘土質土壌。収穫後、除梗し果皮と共に約半日、野生酵母による醗酵を促す。その後セメントタンクにて10か月の熟成。果皮の持つタンニンを出し切る「チェラスオーロ」という考えで造られたロゼ。
プレス後、残ったヴィナッチャを再度プレスした部分を加えることで、骨組みを強調しようと考えたヴィンテージ。軽やかさや飲み心地だけではない厚みや複雑さ、奥行きを感じる味わい
COL0309 Rosso ロッソ 2022年 750ml
モンテプルチアーノ100%、樹齢40~50年。
粘土質土壌。収穫後、果皮と共に約1週間、野生酵母による醗酵を促す。圧搾後、セメントタンクにて12カ月、ボトル詰め後12カ月の熟成。
2022は猛暑のヴィンテージ、ただ水不足にはならなかったこと、そして収穫前の気温差によって、凝縮しつつもバランス感のあるモンテプルチアーノが収穫できたというエンリーコ。よく成熟し香りを纏ったタンニンと果実のバランス感。凝縮しつつも決して重さを感じない、魅力あふれるモンテプルチアーノ。
COL0403 Rossissimo ロッスィッスィモ 2015年 750ml
モンテプルチアーノ100%、樹齢40~50年。
最高と呼べる収穫を迎えたヴィンテージのみ、完熟したブドウを選果し醸造。セメントタンクにて12か月の熟成、ボトル詰め後24か月の熟成。2008より数えて3度目となるヴィンテージ。12年のような粗削りさから、より洗練された印象。濃密でありながら現時点でも十分に楽しめる柔らかさ、心地よさを持っていますが、もちろん長い熟成にも耐えられるポテンシャルを秘めているワインです。
COL0601 Bianco Affianco ビアンコ アッフィアンコ (2022)年 750ml
トレッビアーノ100%、樹齢30年。
隣接するテンドーネ仕立てのブドウ畑を借り栽培&収穫。収穫後、除梗し1晩果皮とともにピジャージュし、翌日に圧搾。セメントタンクにて醗酵、そのまま6か月熟成。ビアンコが少なすぎるため、知人の畑を借り、自家消費+αとして始めて醸造。軽やかでいて柔らかい、通常のビアンコとは異なるやさしさ、軽やかさを感じる白。
COL0501 Seconda Mano セコンダマーノ 2022年 淡赤 750ml
モンテプルチアーノ100%、樹齢40~50年。
粘土質土壌。メーノ ロッソを醸造する過程で、早い段階で圧搾したヴィナッチャをさらに強い力でプレスし、一晩かけて圧搾。セメントタンクにて醗酵・熟成。やや淡い色調でいて、柔らかくもしっかりとした甘いタンニン。柔らかい酸と飲み心地。疲れを感じない日常を彩るテーブルワイン。
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