Winery

ワイナリー

Piemonte

Elio Sandri

エリオ サンドリ

伝統を尊重しつつも、緻密で重厚に練りこまれた農業と醸造哲学。土地と時間を最大限に表現する至高のバローロ。

日本ではこれまで継続的な輸入が行われなかったため、あまり認知されておりませんが、偉大なる伝統的バローロ生産者の中でも、「極めて伝統的で妥協のない造り手の一人」として、愛好家の中でも絶大な人気を誇る造り手、エリオ サンドリ。7haもの畑を持ちながら、リリースされるバローロは毎年3600本程度しかありません。手を加えることを嫌い、土地、ブドウ樹の環境、バランスを重視した栽培方法、そして伝統に基づき、流行に左右されることなく、「時間」を費やしたワイン造り。そのこだわりと信念は唯一無二、尊敬に値する素晴らしい造り手です。
モンフォルテ ダルバ、ペルノ村の東側にあるカッシーナ ディーサと呼ばれるブドウ畑。非常に長い歴史を持っており、なんと15世紀初めにはパヴィア地方のブレメ修道院の手によってブドウ栽培が行われ、ワインが造られていたという記述が残っている畑。現当主であるエリオ サンドリは2代目にあたります。父であるジョバンニ サンドリが1965年、このCascina Disaを中心に畑を手に入れ、ブドウ栽培、ワイン醸造を開始。しかしながら、早くに父が病床に伏してしまったため、1981年から16歳という若さで、この土地とワイナリーを引き継いだエリオ。父と共に働いた経験を忠実に守り、畑での徹底した作業と、伝統的なバローロの醸造を粛々と続けてきました。

標高は300~350m、東~南東向きの斜面。谷を挟んだ向かいはセッラルンガ ダルバにあたり、目の前はあのカッペラーノが所有するCruガブッティ、ピエフランコの畑が見渡せます。土壌はモンフォルテ特有の、緻密な泥灰土の層と豊かな堆積物土壌だけでなく、隣接するセッラルンガ ダルバの剛健さや力強さ、北西に接するカスティリオーネ ファレットのエレガントさ、柔らかさ。モンフォルテ ダルバだけでない、複数のクリュが持つ土壌個性が混ざり合っているのも、カッシーナ ディーサの魅力であり、エリオが求めている「緻密さや複雑さ」を生み出す土地たる所以といえます。

樹齢は若いものでも20年を越え、カッシーナ ディーサには樹齢65年というネッビオーロも現役で残ります。ネッビオーロも古いクローンが数多く残っており、ランピアとミケが昔の植樹方法で、交互に植えられているのも特徴。
栽培において特筆すべきは、エリオが畑に立つようになってから、無農薬はもちろん、ただの一度も表土を耕転したことがなく、完全なる不耕起栽培はすでに45年を迎えます。さらに1年を通してブドウ樹の下草、雑草も極力刈り取ることを行わず、1年で多くても2回程度。猛暑で干ばつとなった2022は、1年を通して1度も雑草を刈り取らなかったという話には驚かされるばかりです。ブドウ樹と競争するだけでなく、根が共生関係となることで保水性の向上、多様な植物環境による生物多様性。微生物環境の多様化によって、特定の病原菌や害虫の異常発生が抑えられ、結果的にブドウが病害虫への脅威にさらされるリスクを、低減することにつながると考えています。さらには収穫したブドウ、ワインから「土地の香り(下草や共生するハーブ)」、を感じられるという、表現の中にさらに一つのエッセンスが加わるという考えを持つエリオ。

畑で行われるすべての作業は、すべてエリオの一貫した栽培哲学の元に行われています。話だけを聞いていると、畑では特に仕事をする必要がない、、そう感じてしまいます。彼がジョーク交じりに話すのは、「ブドウ畑を管理する最良の方法は、ポケットに手を突っ込んだままにすることだ」。ブドウ畑における最小限の介入、樹1本ごとの状態やバランスを観察し続ける、必要な時に最低限の対処をするという意味合い。それは不耕起だけでなく、剪定や除葉、誘引、すべてにおいて言える事。収穫についても一貫した哲学を持ち、完熟を待つのはもちろんですが、単純に果実だけの完熟を求めるのではなく、葉1枚1枚から栄養素が果実に結集し成熟。果実だけでない果梗までの完熟。それこそが、エリオのたどり着いた独自の境地なのです。

醸造は父の代より変わらない大型のセメントタンクでの醗酵。除梗も完璧に行うわけではなく、完熟した果梗はあえて一部残し、熟成した梗由来のタンニンや芳香成分を抽出。マセレーション(果皮浸漬)についてもより繊細で、長期間の抽出を意識。よりソフトで繊細な抽出と想像がつきますが、それだけではない力強さや重厚さも必要としている、必要な要素のみを削ぎ取るかのような、他のどの造り手からも聞いたことがない、非常に特徴的な手法を行っています

そして、エリオ サンドリを語る上で決して外せないのが、やはり「熟成」についてでしょう。「時間を費やしてじっくりと、、」、エリオの言葉はまさにそのまま。ヴィンテージによって違いはあるものの、大樽で約4~5年という長い時間をかけて熟成を行う。醗酵から大樽での熟成において、エリオはワインが酸化することを全く恐れていない。むしろ、より空気と触れ合う事で芳香成分が複雑化する、つまり恩恵の方が大きいと考えています。SO2の添加についてもボトル詰めの前にごく少量加えるのみ、醸造過程では一切使用しません。そしてさらに驚かされるのは、大樽に移した時点でワインへの一切の介入を行わない。ヴィンテージによって異なりますが、4~5年という歳月でオリ引きを一切行いません。「より長く、繊細で、バランスの取れたブドウ、無理のない安定した醗酵、熟成を終えたワインであれば、オリはより複雑さや芳香成分の恩恵を与えるだけで、ネガティヴさを感じることはない」、そう言い切るエリオ。

そして極めつけともいえるビン内での熟成。ボトル詰めの後12カ月の熟成期間を置くことで、ボトル詰めでのショック、酸欠による還元的な状況を脱し、安定してからリリースを行うという、エリオ サンドリのこだわり抜いたバローロ。7haという畑の広さに対して、リゼルヴァやCru名の付いたもの含めて、毎年僅か3600本しかリリースされないことも、これほどのこだわりを見れば、納得させられること間違いないでしょう。そして、単に希少というだけでなく、収穫より5年以上費やしてリリース。1本のワインをリリースするのに十分すぎる時間を費やしていることには、感服せざるを得ないでしょう。

エリオ サンドリのワインから感じる、より深遠で複雑、彼の言葉通り土壌、下草を感じ、より多くの要素をイメージさせる香り。骨組みと力強さを感じつつも、噛みしめるごとに膨らむ多様な味わいと奥行き。余韻に至るまでに、いったいどれほどの情報量が含まれているのか、驚かされる味わいを持ったバローロ。そしてもちろん、モンフォルテの力強さを持つだけに、これだけの時間を費やしても完成を遂げているわけではなく、さらなる熟成の期待や可能性を持っていることも事実。リリースを迎えてからも、さらなる時間を費やすに値するバローロであり、畑からカンティーナまで一貫した、奥行きや繊細さ、複雑さをもった至高のバローロ。今回、ようやく取扱の機会をもらえたことに、個人的にですが心からの喜びを感じております。エリオ サンドリが、偉大なるバローロの造り手の一人として、これから皆さんに認知していただける事を、愉しみにしております。

Lineup

ISA0001 Rosato ”Minium” ロザート ”ミニウム“ 2022年 淡赤 750ml
ネッビオーロ100%、樹齢65年の最も古い区画のブドウより。収穫したブドウは除梗し、果皮と共にセメントタンクにて12時間程度のマセレーションを行い醗酵。圧搾し醗酵が終わった後も、そのままセメントタンクにて12か月の熟成ののちにボトル詰め。十分な熟成期間を取ってからリリース。
エリオの興味や実験的な意味合いを持って造られるキュヴェの一つ。名前はラテン語で「赤色、レンガ色」を意味、ネッビオーロが生み出す朱色の情景を表現。彼の中ではロゼというよりはネッビオーロの淡い色調の魅力、味わいを表現。
ISA0401 Barbera d‘Alba Superiore バルベーラ ダルバ スーペリオーレ DOCG 2023年 750ml
バルベーラ100%、樹齢36年、の畑(標高310m東向き)。収穫後、大型のセメントタンクにて果皮と共に20日。醗酵が完全に終わるのを待ってから圧搾、そのままセメントタンクにて12カ月。30hlの大樽に移し12か月、ボトル詰め後6カ月熟成。畑の中でも標高の高い区画に植えられているバルベーラ。畑の上にある森からの冷気や湿度、東向きの斜面の利点であるフレッシュさ、酸を基調とした繊細さを持ったバルベーラ。
ISA0101 Langhe Nebbiolo ランゲ ネッビオーロ DOC 2023年 750ml
ネッビオーロ ランピア100%、 樹齢40年以上の畑( 標高340m南東向き)。収穫後、大型のセメントタンクにて果皮と共に24日、醗酵が完全に終わるのを待ってから圧搾、そのままセメントタンクにて12カ月。2600Lの大樽で12か月、ボトル詰め6カ月熟成。ネッビオーロの中ではもっとも標高の高い区画、森に隣接し、湿度や冷気によってネッビオーロのフレッシュさを表現。
ISA0201 Barolo Perno バローロ ペルノ DOCG 2019年 750ml
ネッビオーロ ランピア100%、 樹齢40年以上の畑( 標高310m南東向き)。収穫後、大型のセメントタンクにて果皮と共に21日。醗酵が完全に終わるのを待ってから圧搾、2500Lの大樽に移し40か月、ボトル詰め後30カ月の熟成。
ヴィンテージの気候、特徴によって区画は変化する。理想的なバランスを持ったネッビオーロから、より繊細で柔らかな抽出と十分な時間を費やした熟成。一般的なバローロと比べて2倍近い時間を費やした希少であり至高のバローロ。
ISA0301 Barolo Perno Riserva バローロ ペルノ リゼルヴァ DOCG 2019年 750ml
ネッビオーロ ランピア50%、ネッビオーロ ミケ50%、 樹齢40年以上の畑( 標高310m南東向き)。収穫後、大型のセメントタンクにて果皮と共に21日。醗酵が完全に終わるのを待ってから圧搾。2600Lの大樽に移し52か月、ボトル詰め後24カ月熟成。
通常のバローロと区画や畑で分けているのではなく、年ごとのブドウ樹の生育によって選別したネッビオーロから醸造される。より生命力を持つ果実のポテンシャル、複雑さ、奥行きを表現するために、大樽での熟成期間を長く取っている。
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