Winery

ワイナリー

Toscana

Ugo Contini

ウーゴコンティーニ

トスカーナの名家に生まれつつも、すべてを捨てゼロから始めた独創性の塊

トスカーナ南部、グロッセートから東に50kmほど内陸にあるロッカルベーニャの町。モッレリーノ ディ スカンサーノで有名なスカンサーノの町に隣接し、モンテ アミアータの麓に位置している。元来ワインの生産エリアとしてはあまり知られていないものの、スカンサーノと類似した土壌特性(ガレストロ土壌)、そして500mを越える標高は昼夜の気温差をもたらし、近年非常に恵まれた環境にあります。

当主であるウーゴ コンティーニ ボナコッシは、カルミニャーノの歴史ある名門ワイナリー、テヌータ ディ カペッツァーナの当主家族に生まれ、幼い頃よりカルミニャーノのブドウ畑、オリーヴに囲まれて育った。当然のようにフィレンツェ大学で栽培学・醸造学を学び、兄弟たちと共にワイナリーで働いてきたウーゴ。それが、彼のアイデンティティとして刻まれているかのように、、。ただ、彼の頭の中に浮かぶ情景は、家族で営むカルミニャーノではなく、母の故郷であるトスカーナ南部グロッセート、マレンマの山奥にあるロッカルベーニャの町だったといいます。自然に包まれ、山間にたたずむブドウ畑と、農民(コンタディーノ)としての暮らし。カペッツァーナのようなコンベンショナルなワイナリーではなく、すべて人の手によって造られるワインを求め、この地でゼロからのワイン造りを開始。

2011年28歳で移住し、周囲の土壌環境を独自で調査したウーゴ。大学では地質学を専攻していた彼、ブドウ栽培において重要な土壌環境、標高、ポジションの揃う土地を3年以上かけて探しました。2014年、標高350mに1haの畑≪Vignaliヴィニャーリ≫、2015年に標高520m、1.5haの畑≪Banditaバンディータ≫を手に入れ、それぞれ植樹。標高の低いヴィニャーリは、スカンサーノ特有のマグネシウム豊富な赤土と粘土質、そしてガレストロを含んだ土壌。サンジョヴェーゼとの相性を最大限に考えたといいます。ブドウはサンジョヴェーゼ、カナイオーロ、コロリーノ、チリエジョーロと黒ブドウを植樹。標高の高いバンディータは、一面ガレストロと強い石灰質、傾斜がきつく表土が少ない、泥岩に覆われた非常に貧しい土壌。保水性が低く、常に風が吹き続ける特殊な環境、昼夜の気温差が激しく、酸を持った白ブドウの栽培に適していると考えたウーゴ。グロッセート周辺、オリジナルのブドウ品種を混植(プロカーニコ、トレッビアーノ、アンソニカ、サン コロンバーノ、ドゥーロペルシコ、フランチェジーナ、ヴェルデッロ、ノッキャネッロ)。表土に関しては、基本的に手を入れず不耕起による栽培を行っていますが、バンディータの畑では表土が少なすぎ、そして保水性がなさ過ぎるため、雨水をより多く蓄える目的で最低限の耕転を行います。下草についても最低限、樹の下のみをすべて手作業で行うという徹底ぶり。

栽培において化学肥料はもちろん、たい肥なども一切使用しない、無施肥によるブドウ栽培を徹底。唯一使用するのは自然由来の銅と硫黄物のみ、これも毎年最低限の使用にとどめている。「非常に乾燥した2022年は、1度だけ散布したのみ。元来雨が少なく乾燥しているので、必要のないときは散布をしないように心がけている。今年も乾燥していて、まだ1度も散布してないんだ。このまま収穫まで迎えられたら嬉しいんだけどね、、(2026,7月訪問時)」。ブドウに求めるのは最大限の完熟だと語るウーゴ。糖度や果実だけではない、種子の完熟を見極めてから収穫を行うといいます。とは言っても、これだけ多様な品種を混植している以上、各品種の完熟するタイミングには当然時間差が起きます。なので、熟成のバランスを見ながらある程度見定めて収穫を行うのが一般的。しかし、彼の場合はそのポイントが少しズレているように感じます、、汗。「もちろんバランスは考えているけれど、今のカンティーナのサイズや熟成に費やす時間を考えれば、収穫量は正直あまり求めていないんだ。なので過熟によって一部のブドウを失ってでも、自分が納得する成熟を迎えてから、2~3度に分けて収穫をしているんだ」、そう語るウーゴ。

果皮の強さ、病気への耐性など、毎年の気象条件にもよりますが、選別の基準は変えず、徹底して収穫を行っています。「冷涼で雨の多かった2023年は、ベト病に弱いブドウはほとんど失ってしまった。でもベト病に強いサン コロンバーノは例年よりも多く収穫できた。反対に猛暑で乾燥したヴィンテージではウドンコ病によってサン コロンバーノは多く被害を受けた。でもウドンコ病に強いフランチェジーナは多く残るんだ。毎年違いが生まれつつも均衡がとれる。すべてのブドウが同じように収穫できるはずはない、その年によってワインを構成するブドウの比率は一定にはならない。でもそれこそがその土地でありヴィンテージの特徴じゃないかって思うんだ」。彼が求めているブドウの完成度の高さ、それはワインを飲んでいただければ直感的に感じていただけると思います。

醸造については非常にシンプル、完熟したブドウを除梗し、開放桶の中で混醸。アルコール醗酵が終わるのを待ってから圧搾。ステンレスタンクにて2~3年と、十分に時間を費やしてからボトル詰めを行います。「以前は木樽を使ったことがあるけれど、収穫量から大樽を使うのは現実的ではないし、バリックなどの小さい樽はワインにあまり良い印象を与えないと考えてる。醸造で何か行う事よりも、今は毎年の畑での仕事、よりよいブドウを収穫する事だけを考えてる」、標高も高く強いミネラル分を持つバンディータの畑より収穫された白ブドウ、完熟した状態でも十分な酸とミネラルによって守られていると考えているウーゴ、醸造過程はもちろんですが、ボトル詰めの際もSO2の添加は全く行いません。それでもワインには全くと言っていいほど不安定な要素や揮発酸の高さを感じない、非常に熟れた果実と旨味の詰まった素晴らしい味わい。プロカーニコなど、果皮の厚いブドウ由来の豊富なタンニンは、熟成によって丸みを帯び、ヴェルデッロやアンソニカといった、アロマティックなブドウ由来の甘やかで豊富な果実味、濃い色調で厚みがありながら、酸が全体を支える魅力的なバランス。赤については、以前のヴィンテージでどうしても不安定な要素が出てしまう事があったため、ボトル詰め時にごく少量のSO2の添加を行っています。スカンサーノにも似た、豊かで良く熟れた果実を前面に感じるサンジョヴェーゼ。それでいて酸が全体のバランスをしっかりと支えてくれる、とても魅力的な味わい。

スクリューキャップを選んだ理由は、軽量のボトルを使う事で、ガラス瓶の消費に伴う環境負荷を減らすことを考慮。そして可愛らしいイラストで描かれたエチケットは、彼が愛するロッカルベーニャで見られる、野生動物と愛犬が描かれています。ヤマアラシやアナグマ、シカといったブドウ栽培においては「害獣」とされる存在であっても、同様に愛情を持つウーゴ。「(自分の)畑の周りは100%自然で囲まれている、野生動物を排除するのではなく、寛容できる距離で付き合う方が健全だと思わないかい?」、そう笑う彼。強いこだわりとぶどう栽培への情熱を持ちつつも、自然を愛し決して過剰な決断をしない自然体のウーゴ。まだ始まったばかりのワイナリーでありながら、非常に楽しみな未来が見える。若き造り手がまた仲間入りしました!

Lineup

UGO0001 Armancione アルマンチョーネ 2022年 白濃 750ml
プロカーニコ、トレッビアーノ、アンソニカ、サン コロンバーノ、ドゥーロペルシコ、フランチェジーナ、ヴェルデッロ、ノッキャネッロ、樹齢7年。
それぞれのブドウの完熟を待ってから合わせて収穫、混醸。除梗し果皮と共に2週間程度、醗酵が終わるのを待つ。圧搾後、ステンレスタンクに移し36か月、ボトル詰め後6カ月の熟成。収穫からボトル詰めまで、一切の添加を行わない。トスカーナ南部に残る地品種を尊重し、混植、混醸された「土地」を表現したワイン。それぞれのブドウの特徴や個性が一体となった、親しみやすくも主張のある味わい。
UGO0101 Ughetto ウゲット 2022年 赤 750ml
サンジョヴェーゼ、コロリーノ、チリエジョーロ、樹齢8年。
それぞれのブドウの完熟を待ってから合わせて収穫、混醸。除梗し果皮と共に2週間程度、醗酵が終わるのを待つ。圧搾後、ステンレスタンクに移し36か月、ボトル詰め後6カ月の熟成。ボトル詰めのタイミングで、ごく少量のSO2の添加を行う。完熟した果皮のニュアンスを強く感じつつも、締まったミネラル分と柔らかい酸。バランスの良さを感じるサンジョヴェーゼ。スカンサーノのような強いガレストロに高標高によるエレガントさ。
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