Emilia Romagna
Vittorio Graziano
ヴィットーリオ グラツィアーノ
モデナの南、Collina(コッリーナ)と呼ばれる小高い丘が続く地域。カステルヴェートロにヴィットーリオのカンティーナはある。近代化・大型化が進むランブルスコの現状を憂い、本来のランブルスコ造りを追求。50年以上前の古樹を引き継ぎ、自然環境を優先した農法。樹のバランス感を尊重し、必要最低限の介入。あまりの収穫量の少なさに、周囲からは奇人扱いされてしまうほど。醸造についても当然のことながら酵母添加は行わず、温度管理やポンプなどを避け重力を用いるなど、近代的な設備を使用せず、瓶内2次醗酵(再醗酵)、そして最も驚かされるのが、その後オリと共に約24か月もの瓶内熟成を行う。「DOCの中で本当に旨いランブルスコは造れないよ。」と笑うヴィットーリオ。オリ抜きをせずに造られる彼のランブルスコ、美味しいを通り越して気持ち良ささえ感じる。想像を越えた味わい。
個性的
かつ圧倒的な感性 を持つヴィット ー リオ 。 圧倒的 な 味わい と繊細さ、唯一無二ともいえる
ラ ンブルスコ を造りだす 。
モデナより南へ
10km 、丘陵地との境目にあるカステルヴェートロ ディ モデナ。
ランブルスコの中でもグラスパロッサを用いた「 Modenese モデネーゼ」と呼ばれ
るランブルスコの銘醸地でもある。 ヴィット ー リオのカンティーナは カステルヴェー
トロの南、 小高い丘の上に位置。標高は 200 m~ 220 m、 カンティーナ周辺の1
ha と標高 300 mにある丘陵地 4ha 。周辺の土壌は非常に強い 粘土質 、そして
石灰質を含む土壌。丘陵地特有の風に恵まれた土地という事もあり、夏場の高
温と夜間の温度差は、酸の強いランブルスコに欠かせない ものでもあります 。
畑の樹齢は
20 30 年、 ヴィット ー リオは近年の大量生産のランブル スコ造りと
いうものを嫌い、 古くから残っていた古樹 ・品種を尊重したうえで自然環境を重
視した栽培 、そして 瓶内での 2 次醗酵 という古典的な 醸造にこだわる。
完全に自然環境が残る畑から生まれる、それぞれ十分な個性を持った果実。
「
ランブルスコ系でいえば、モデナを代表するといってもいいグラスパロッサ は、そ
の名の通り梗(及び葉)が赤く、果皮の厚みと房の大きさあるブドウ。だけど、巷に
あるグラスパロッサには、この畑にあるような個性はほとんど見られないな。そ の
ように改良されてしまっているんだ。 そして最も古くからあるとされているソルバー
ラ、結実がとても悪く色調も薄いものの、 素晴らしく 繊細な香りと酸を持っている。
そして房が小さいサラミーノは 果実が密集、豊かなタンニン 。 トレッビアーノについ
ても同じ、モンタナーロは 暑い果皮と十分なエキス分。そしてスパーニャは未知
な部分が多いブドウだけれど、繊細な酸と奥行きのあるブドウ。 」 そう語るヴィット
ーリオ
酵母添加や温度管理を行わずに醗酵。その後オリ引きを行った後、ボトル詰め。瓶
内2 次醗酵の段階でも一切の添加を行わずにブドウ自身の糖分と酵母のみでの醗酵
を促す。(年によってブドウの糖分が変わるため、ガス圧に変化が出る場合に限り、同様に収穫したブドウを
アパッシメント(陰干し)して造ったパッシート(甘口ワイン)を添加することで調整。)その後オリとともに最
低でも24 か月の熟成を行うことで、オリからのエキス分を十分に引き出すことができる。
しかしそれだけの期間がたったというのに、オリの持つネガティブな要素が一切感じられ
ないという事に驚かされてしまう。
必要な事だけを追求する、自然環境を優先した栽培と独創性豊かな醸造哲学。ラン
ブルスコの常識を覆す圧倒的な旨さ。唯一無二の造り手。
Lineup
収穫後ごく短期間のマセレーションを行いながら醗酵。冬の気温によって醗酵が止まり、3~4月の気温の上昇に合わせてボトル詰め、瓶内で醗酵を終える。スボッカトゥーラ(オリ抜き)は行わずにリリース。猛暑の2022でありながら非常に繊細さ、バランス感のある味わい。完熟を感じる素晴らしい果実香と、エレガントさ。飲み心地の良さは素晴らしいの一言!とてもクリーンで柔らかな味わいを感じるヴィンテージ。
近所の農家が放棄していた畑を借り、2016年よりヴィットーリオが栽培を始めたカンディアの畑。アロマティックで個性の強いカンディアだけに、他の白ブドウを加えずに単独で醸造。リーパ同様、瓶内で再醗酵を行ったフリッツァンテ。ブドウ由来の強いアロマと個性と、スムーズでいて軽やかな酸と口当たり。絶妙なバランス感をもったフリッツァンテ。
収穫後、果皮と共に醗酵が始まるのを待つ。圧搾後も醗酵が進み、気温の低下とともに醗酵速度が止まる。そのまま春先までタンク内で熟成。3~4月の気温の上昇に合わせてボトル詰めを行い、瓶内で自然に醗酵がスタート。その後、スボッカトゥーラ(オリ抜き)は行わずにリリース。
2019は極僅か、2020はリリースのなかった久しぶりのスミルツォ。凝縮した2021のモストに、やや残糖の残る2020を加えてビン内再醗酵という、ヴィットーリオらしさあふれるロゼ。
収穫後、果皮と共に約1週間、野生酵母による醗酵。冬の気温によって醗酵が止まり、3~4月の気温の上昇に合わせてボトル詰め、瓶内で醗酵を終える。スボッカトゥーラ(オリ抜き)は行わずにリリース。毎年の変化に合わせて、微妙に手法を変えるランブルスコ。これほど繊細で複雑さを持ちながらも、食事と共にあるランブルスコ本来の厚み、タンニン、飲みごたえも両立したグラツィアーノらしいランブルスコ。
リーパ ディ ソプラヴェントと同様に醗酵を進め、残糖分が高い状態で、荒いオリを取り除いてボトル詰め。瓶内で24か月以上の熟成。緩やかに瓶内で醗酵が進み、やや糖分を残した状態で安定化。オリ抜き(デゴルジュマン)を行い24ヶ月の熟成。某有名ロックシンガーの名前から、ダジャレ好きのヴィットーリオらしいネーミング。
非常に熟度の高いモンタナーロのみを選別し収穫。除梗したのち木樽にて果皮と共に野生酵母により醗酵を促す。醗酵が始まり果皮が浮き上がり始めても、パンチングダウンや櫂入れを一切行わず、2か月以上果皮と共に醗酵を行う特別な白。ヴィットーリオ自身が「納得できるまで」彼のセラーで時間を費やす白。強い果実とピーキーな酒質が、熟成とともに変化していく白。
計7種類のモデナ近郊に残る地ブドウ、樹齢40年。収穫時期の異なる7種のブドウを果皮と共に醗酵がスタート、そこに後から収穫したブドウを足していき、約2か月果皮と共に醗酵を続けるという、突飛な手法によって「樽の中で7つのブドウがひとつに」。圧搾後、木樽にて24か月の熟成。
白ワイン「タルビアナーツ」を造る過程で揮発酸が高くなったものを酢酸醗酵させたもの。※複数のヴィンテージが注ぎ足されています。
その他6種類の地ブドウで造られるワイン
「サッソスクーロ」を醸造する過程で、揮発酸が高くなったものを酢酸醗酵させたもの。※複数のヴィンテージが注ぎ足されています。